駐車場にするということ(CEO 遠藤記)
平成3年2月にバブルが崩壊した、税収ピーク平成3年である。
バブル崩壊以降、歳入の減少が続き、必然的に重厚長大な公共投資事業は縮小した。
印象としては平成5年、もう20年以上前だが、日本人の環境意識の転換期と思っている。
日本に経済的な余裕がなくなり、日本人は、節約して身の回りを見るようになった。
今の日本で、地面に穴を掘って廃油を廃棄すると廃棄物処理法違反。
法令順守もさることながら、周囲の目を意識するし、事業所の敷地に廃油を捨てるという行為は、時代遅れというか、ありえない。
ありえない、といえるくらい、現在の日本人の環境意識は高い。
10数年間、運送業者が使用していた土地。 運送業という業種は、廃棄物の少ない業種という印象を持っていたが、どうやらそうでもないらしい。
事業者は、事業所敷地に穴を掘り廃油を捨て覆土した、廃棄物も埋設した。
地主さんから、運送業者が使用していた土地の調査の依頼があった。
ここぞと目星をつけて試掘した。
壁面から廃油がにじみ出てきた。
廃棄物も雑多だが、廃油が入った一升瓶やバラ線も埋設されていた。
まだ調査を始めたばかりで、特定有害物質の存在や、廃棄物の総量は確定していない。
しかし、土地を健全化する費用が高額であることは否定できない。
運送業者に損害賠償能力がないのが明らかな状況にある。
地主さんは、駐車場にして土地利用したいという。
このままでいいとはいえない、しかし、費用負担は容易でない。
この状況、俗に、無い袖は振れない、という。
駐車場にするという措置以外に、解決策はないのだろうか。