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株式会社セロリ

土壌汚染調査に関する機器/その他機器設計・製造・販売
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2016年~2018年 岐阜大学との共同研究

舗装と盛土構造の点検・診断自動化技術の開発

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP HP)における、「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」開発技術チームに、岐阜大学とともに選ばれ、舗装と盛土構造の点検・診断自動化技術の開発(SIP HP)をテーマに3年間の研究開発に取り組みました。1時間あたり500m以上の調査速度、組立運搬操作の簡易化、調査の自動化など、多くの成果をあげました。

地面を打撃するハンマです。
「10kgのカケヤを高さ2mから叩きつける衝撃力」という定性的な仕様です。
これを、P=10(kg)×9.8(m/sec2)×2(m)=196(J)の150%と定義して、打撃エナジ300(J)を目標に開発に着手しました。

圧縮空気をチャンバに貯め、電磁弁の開放でハンマを急速移動させる方式、簡単に言えば、大型の空気銃です。
電磁弁に信号をショットして解放、ハンマの移動をレーザセンサで捕捉して、時間の経過と移動量を測定しました。
高性能センサで0.0003秒ごとの移動量を測定しました。今回の研究開発では、この測定と解析方法が、当社の最大のノウハウといえます。

実際にロードセルを叩いて、衝撃力を測定しました。
しかし、市販のロードセルでは対応できないため、この測定器も自社開発しました。

完成したハンマ台車です。

そして、100回以上のテストを繰り返し、データを解析しました。

結果、電磁弁に信号をショットしてから、0.03秒後に地面を打撃していることまでわかりました。

当社はハードウエアの開発を担当しましたが、現場作業チームからは、次から次へと要望があります。
たとえば、ハンマの2度打ち防止、衝撃波が単発であることが望ましいということです。これも難題でしたが、「圧縮空気の逆噴射」と、「超人ブブカは5mの高さから自由落下してもリバウンドしない」という理論を打ち立て、試行錯誤の結果、「2度打ちの寸止め」機構が完成しました。

次の要望、すべての資材を一人の作業者がハイエースに積載できるようにする。
台車を積み重ねできる構造で、かつ、凹凸をうまくかわして使用時より積載時の高さが低くなるように設計しました。

次から次に現場の対応。
道路というものは、必ず勾配があり、摩耗のへこみ、わだちの凹凸がある。それを、台車が縦列を乱すことなく、曳かれていかなければならず、かつ、振動センサは路面に安定設置されなければならない。説明は難しいのですが、この部分の開発にも手を焼いた。

測定台車の縦列は、ときに40台を超えます。
この縦列を、所定の距離ごとに確実に停止させる機構。基本的には2mごとに起震して衝撃波を測定するのですが、高精度での確実停止を実現しました。しかし縦列を牽引する先頭車両は人間が運転しますので、所定距離ごとに確実に停止することはできません。この誤差の吸収と修正の自動化にも人知れぬ苦労がありました。

暑い日も、寒い日を現場試験が行われました。そして、委託研究が終了しました。

●舗装と盛土構造の点検・診断自動化技術の開発(PDF)

不正研究が社会問題になった時期でしたので、研究者倫理の徹底や、Eラーニングや、経理の監査など、会社全体で取り組んだこのミッション。各種部品などの発注方法、納品方法の諸規定の見直しは、協力工場にもおよびましたし、社内諸規定の修正や、監理業務の厳格化には、行き過ぎを感じるほどでした。

しかし、国の監査員の方の言葉には感謝しています。「国の研究費を使って会社が研究するということは、会社が利益を出すということではない。技術を蓄積し、必要な設備を充実させ、諸規定を見直し会社の骨格をしっかりさせる。結果的に社会に貢献するいい会社なるということです」