黄鉄鉱(pyrite) (CEO 遠藤記)
黄鉄鉱という硫化鉱物があり、化学式はFeS2、硫黄と鉄の合金ということ。
金色に光るため、「愚者の黄金」と呼ばれるが、現物を見せ、金の結晶といえば、なるほどとうなずいてしまう。
石ころは、ホルンフェルスという、泥が固まってできた泥岩が、マグマの熱影響を受けて変成したもの。
そのホルンフェルスのクラックに、黄鉄鉱が結晶したということ。
ハンマで割岩したフレッシュな面をズームすると、このように乱反射する。
さらにズームすると、このように金色に輝く結晶が見える。
金を見慣れているわけではないが、このように類似していると、黄鉄鉱を見て金と見紛うのは道理であり、「愚者の黄金」の通称はいささか気の毒と思う。
ちなみに、黄鉄鉱の比重は5.0.
金の比重は19.32からすると、ずいぶん軽いので、硬貨など作ろうものなら、たちまち愚者であることを露呈することになる。