斜面の崩壊と礫岩(CEO 遠藤記)
山の成因には、溶岩の噴出を繰り返す火山、海底あるいは平野部の隆起、地層の褶曲などが挙げられる。
日本列島そのものは、大陸側のプレート緑の海底部が、海洋側のプレートの沈み込みの影響を受け、褶曲隆起したとされているようだ。
いずれにせよ、日本列島に見られる多くの山の表面は、風化を受けた岩石、それらを素材とした土や砂が、岩盤上に堆積しており、さらに植物が生育して豊かな自然をなしている。
地球の歴史45億年からすると、関東平野を見下ろす丹沢山地などは600万年の歴史であり、新生児さながらの若い大地といえ、活発に大地は活動し、人間目線でいうと災害が起きている。
樹木の根は地表面の固定に効果があるともいわれるが、その影響限界を超えた深度に不都合を生じれば、やはり斜面は崩壊し、かような角礫と土砂が斜面底部に堆積することとなる。
上の写真からおよそ30km離れた海岸線の礫岩の露頭、マトリックスは砂。
露頭における角礫や岩質が、崩壊現場の状況と似かよっていて興味深い。
ひとことで礫岩というより、角礫砂岩というべきか、斜面の崩壊現場にそのルーツを感じた。