過積載にご注意
ダンプカーやトラックなどの貨物自動車に規定の積載重量を超えて貨物を積んで走る行為、道路交通法における違反行為であり、俗にいう過積載は、道路路面や道路構造に損傷を与え、震動による交通公害をおよぼす。
シートベルト非着用、駐車違反、過積載は、新交通三悪とまでいわれている。
たとえば、10トンの積載規定のある10トン車に、15トンの積載をすると、違反点数3点 罰金40000円であり、
1kgでも過積載は違反であって、積載量10.001トンであっても違反点数2点 罰金30000円である。
もちろん、直接的に罰せられるのは運転手であるが、発注者にも道義的な責任は存在する。
汚染土壌の掘削除去現場の主役といえば、油圧ショベルとダンプカーである。
油圧ショベルのオペーレータは、経験によって、この土質なら、バケットに何杯の掘削で、積込が何トンになる、ということをつかんでいる。
しかし、道路交通法で過積載が規定されている以上、経験則で何トンというわけにもいかない。
なんといっても、違反切符を切られるのは、ダンプカーの運転手なのである。
お気づきだろうか、上の積込の写真で、ダンプカーの荷台が少し傾斜している。
ダンプカーの荷台をダンプする油圧シリンダに荷重をかけているのだ。
ダンプする油圧シリンダの油圧を読んで積載荷重を管理するのが、車載の積載荷重計である。
ダンプカーの運転手は、ある程度積込が進んだところで、積載量を確認する。
運転手が見ている荷重計は、このとき10トンには達していない。
運転手は安全をみて、ここで積込中止を油圧ショベルのオペレータに指示した。
処分場で受け入れ重量は9950kg、お見事、絶妙の積載数量だ。
この、車載の積載荷重計、荷台を起こす油圧シリンダの圧力を荷重に換算して表示している。
当該積載荷重計、これがなかなか曲者である。
構造上、荷台の前方に多く積むと、圧力の上昇が早いので、実際の積載量より少ないのに、表示は10トンに達してしまうし、荷台の後方に多く積むと、積載荷重計の表示が10トンに達していなくても、実際の積載量が10トンを超えることになる。
油圧ショベルのオペレータが荷台上の汚染土壌を平らに敷きならしても、たとえば、前方にガラの多く混じった、比重の高い汚染土壌が多かったりすると、かように、実際の積載量は9050kgだったりする。
まだ950kgも積めたのかと思うといささか残念なのだが、運転手の判断が最優先である。