浜通りの花崗岩1
福島県の太平洋沿岸、浜通りの現場のボーリング試料です。
深度1mくらいまで造成時の盛り土で、原地盤面には花崗岩が風化してできた白みがかった茶色い砂、
いわゆる真砂土が現れました。
深度4mから、砂混じりシルト層が見られますので、太平洋で堆積した地層が隆起したのでしょう。
ちなみに、この現場の標高は約25m、真砂土には風化の進んだ花崗岩の角礫が混じっています。
花崗岩の角礫を拾い出して、観察してみました。
角礫というものの、ビットに削られて丸くなっています。
花崗岩(granite)、地下深部でマグマが結晶した深成岩で、おもに石英、長石、黒雲母などの鉱物で構成されています。
有色鉱物が多くなると、閃緑岩に移行しますが、この花崗岩は、有色鉱物が多いので、
花崗閃緑岩という分類かもしれません。
スマートフォンにマクロレンズを装着して接写してみました。
黒い結晶が黒雲母です。
スマートフォンでも、この程度には観察できます。
せっかくなので、もう少し観察します。
ガラス質の透明な結晶が石英、白っぽい結晶が長石の類でしょうか。
岩石を専門とする分野では、スライスした薄片を顕微鏡で観察します。
一般に、岩石の比重は2.3、花崗岩は緻密で地下深部で結晶するからか、鉄分が多いからか、
平均値より重く、比重2.5とか2.7とか。
ついでに、というわけではありませんが、アルキメデス法で比重を算出してみようと思います。
Vol.2につづく