アルミ管の酸化被膜
アルミ管を使った接点を試作しています。
材質は、純アルミと呼ばれるA1050材です。
表面には酸化被膜が形成されていて、白っぽく光沢がありません。
この酸化被膜が曲者で、接点の性能を阻害するのです。
接点性能を評価してみましょう。
まずは、導電性の高いことで知られている銅。
身近な銅合金といえば10円硬貨、成分は、銅95%、亜鉛3~4%、すず1~2%。
電気抵抗は0.1Ωでした。
あまり知られていませんが、100円硬貨の主成分は銅なのです。
100円硬貨の成分は、銅75%、ニッケル25%です。
ニッケルの添加によって、硬度を上げ、かつ緑錆の発生を抑えるなど、硬貨の寿命を延ばしています。
電気抵抗は、やはり0.1Ωでした。
最後にA1050を使用した、1円硬貨。
公称アルミ100%となっています。ちなみに、A1050のアルミ純度は99.5%。
電気抵抗はやはり0.1Ωでした。
ようするに、今回使用したテスタは、硬貨の電導特性を評価できるほどのパフォーマンスがないということです。
さて、酸化被膜の件。
アルミ管表面の傷の状態にもよりますが、なんと電気抵抗は1.4Ωでした。
同じ材質の1円硬貨の7%しか電気が流れません。
つまり、接点部分の酸化被膜は、削るなどして除去しなければなりません。
アルミ管の酸化被膜と接点性能のお話でした。
*1円硬貨トリビア
1955年から現在のデザインで発行されている1円硬貨、製造コストは2015年時点でなんと3円です。
重さは1gきっかり、アルミの比重は2.7なので、水に沈むはずですが、乾いた1円硬貨をそっと水に置くと、
表面張力で浮かんでいます。