技術屋社長の独白
糸魚川静岡構造線の新倉逆断層の露頭の巡検
本州を東西に分断する大構造線、糸魚川静岡構造線、通称は糸静、糸静線。
日本海側は糸魚川市の親不知、太平洋側は静岡市の安倍川付近を結ぶ南北の断層帯であり、糸魚川と静岡を結ぶから糸魚川静岡構造線と呼ばれる。
糸静線の東西は、生態系も地質構造も大きく異なり、糸静線の東側を東北日本、西側を南西日本、と呼ばれることもあり、地質学的には明治時代から研究されているはずだが、さまざま答えの出ていない部分もある。
下図の赤い縦線が糸静線、ちなみに青線は中央構造線。
山梨県早川町新倉の逆断層の露頭が天然記念物にしてされたのが2001年、かなり乗り遅れたが、現場に行ってみることにした。
国道52号線を、身延町下山の交差点から早川町に向かう。
早川沿いの県道を山に向かって走り、対岸の露頭に着目。
新倉の露頭が目的地ではあるが、断層帯で小さな滑り面などは多数あって、見つけるたびに停車して、歩いて、写真撮ってと、牛歩の旅だが、面白くて仕方ない。
その対岸の露頭。
中央部に断層が見えていて、右はたぶん安山岩の地層、左はたぶん角礫凝灰岩の地層。ここでだ、水平方向にも滑ったラインが見えるではないか。
望遠の倍率を上げてみると、安山岩らしき地層の水平線と、角礫凝灰岩らしき地層の水平線が上下にずれているが、垂直の滑り面の線はほぼそのまま。ということは、先に水平にずれたあと、垂直にずれたということか。
さすが活断層帯、この先の行程、どんな現場に遭遇できるのか、心躍る気分になった。