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株式会社セロリ

土壌汚染調査に関する機器/その他機器設計・製造・販売
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「ばね」という機械要素について vol.7 スプリング・ラビリンス ビニール傘の「ばね」3

「ばね」という太古の昔から人類が付き合っている機械要素について勉強を始めた。
ところが、おかしなことに、ビニール傘に話が転じてしまった。

まずは、世界に誇る日本工業規格JIS B0103:2012 ばね用語(Springs-Vocabulary)のおさらい。

JIS B0103:2012 ばね用語(Springs-Vocabulary)では、「ばね」をこのように定義している。
たわみを与えたときにエネルギーを蓄積し、それを解除したとき、
内部に蓄積されたエネルギーを戻すように設計された機械要素。

すなわち、弾性を利用したパーツは基本的に「ばね」属といえ、「〇〇ばね」などと分類されることになる。

さて、ある風の強い雨の日、よくある話だが、ビニール傘の骨が折れてしまった。
仕方がないので、ビニールと金属を分別し廃棄処分しなければならない、その場面で、ふと気づいた。
傘を開閉するジャンプ機能のトリガもまた「ばね」ではないか。
ビニール傘の骨

還暦まであと数年、機械設計に携わって30有余年、なんと、傘のトリガの構造を知らずに、
当たり前に傘を差し、骨が曲がれば廃棄していた。
ぼーっと生きてきてしまった。これでは5歳の少女に叱られてもしかたない。
あまりにも悔しいし、悩みは深まるばかりなので、トリガの内部を観察することにした。

傘の柄のトリガ付近をグラインダで切断傘の柄のトリガ付近をグラインダで切断
廃棄処分のために分別した傘の柄のトリガ付近をグラインダで切断し、ついで、シャフトを削った。
なんと、パイプ材の内径を支点と作用点とするテコ構造で、成形した板材をしならせていた。
設計者には、よくできました、の花丸を捧げる。単一部品でコスパ抜群、シンプルイズベスト。

会社の傘立てを見れば、何種類ものビニール傘があった。
ならば、と、トリガの板厚を測定した。
トリガの板厚の測定

左と中の2メーカは、呼び厚1mmの鋼板を使っているようだが、
鋼板メーカが異なるらしく、0.1mmほど厚さが違う。
右の傘のメーカは、呼び厚0.8mmの鋼板を使用している。
このような違いについても、考えたことはなかった。

またしても、妙な展開になってしまった……スプリング・ラビリンス、出口が見えない。

vol.8に続く