技術屋社長の独白
物理学の復習 平均速度
1.2 平均速度
2017年5月、リオ五輪の金メダリストが、非公式ながら、マラソン競技で2時間0分台の記録を樹立した。ついに、2時間を切るのか、という期待は高まる。人間が42.195kmを2時間で走るということは、時速20kmの速度を2時間以上維持する、すなわち、100mを17秒で走るペースを2時間維持するということである。1kmを3分で走るペースを42倍継続する、選ばれた人間の能力と感嘆せざるを得ない。
さて、ある市民マラソンのニュース。
当該市民マラソンの優勝者のタイムは、2時間50分、折り返し地点までの往路21.0975kmを1時間20分で走り、往路の平均速度は時速15.82km。同じ距離の復路を1時間30分で走り、復路の平均速度は時速14.07km、と紹介された。
ここで、ニュースキャスターがミス発言。
「往路が時速15.82km、復路が時速14.07km、ということは、平均時速14.95kmということですか、すごいですね~」と。だまって聞いていればいいものを、反応してしまった、取り出すスマホ、立ち上げる電卓。
たしかに、(15.82+14.95)÷2=14.95 これは正解。
しかしだ、往路を時速15.82km、復路を時速14.07kmで走ったという情報に惑わされてはならない。あくまで、42.195kmを2時間50分、すなわち170分で走ったのだ。
ということは、42.195km÷170分×60=時速14.89km、細かいようだが平均時速は14.89kmであり、14.95kmではないということ。
小学校の算数の問題だろうか。
太郎君は、距離5kmの山道を、登りは時速3kmで、下りは時速5kmで往復しました。
太郎君は往復に何時間何分かかったでしょうか。
正解は2時間40分、さてやってみよう。