土壌調査の費用
土壌汚染調査の最初の段階の地歴調査(フェーズ1)の予算
土地の使用履歴を調査する地歴調査で、ヒアリングや現地踏査を含まない、登記簿謄本、古地図や住宅地図、航空写真による調査は12万円程度です。
ヒアリング調査、現地踏査、その他の地質特性などを含む詳細な地歴調査や、東京都環境確保条例117条調査の対象で行政との折衝を含む場合は、交通費や別途費用が生じますので、通常は都度見積もりとなります。
土壌汚染調査の現地での初期調査の予算
調査対象地の条件によって予算が違います。
初期の現地調査(状況調査と呼びます)の場合
土壌汚染のおそれがある調査地は100㎡あたり20万円~30万円
土壌汚染のおそれが少ない調査地は900㎡あたり20万円~30万円というところが一般的です。
調査費用は調査項目や土間コンクリートの厚さなどで増減しますし、ダイオキシン類の調査を含めるとさらに増加します
ボーリング調査、行政との交渉は別途費用となります。
土地の形状や施工条件に左右されますので、対象地を上記の数値で比例換算できない場合もありますので注意してください。
土壌汚染対策の費用はだれが負担するのか
基本的には汚染原因者です。しかし、土壌汚染の場合原因者の確定が困難だったり、法人が倒産していることもあります。また指定有害物質の管理責任や環境負荷についての認知度が低かった時代に原因があった場合など、訴訟を起こしても費用を回収困難なケースも多いようです。一方、現時点の汚染に対処する責任は土地所有者が矢面に立ちますので、難しい問題が起きたら専門の弁護士に相談しましょう。
鉛などの重金属による汚染土壌を低コストで処分する方法
汚染の規模と項目にもよりますが、数1,000㎥までなら掘削除去し健全土で埋め戻す方法がもっとも確実で低コスト考えられます。
当社では、鉛含有量不適合の汚染土壌は、セメント材料として安全に処分します。
セメント材料としての処分は、わが国の標準的な処分方法といえ、汚染土壌処分の7割がセメント材料としての処分ともいわれています。
実際には複数の対策方法を検討し、最適なプランを考えなければなりません。
また汚染土壌を場外に運搬し処分するときは、所定の管理票で確実に管理いたします。
汚染土壌の処分費の相場
鉛などの重金属汚染土壌を掘削してセメント材料として処分する場合、運搬費を含めて12,000円/トン~17,000円/トンが相場と思われます。
対策土量は一般に㎥で表現さますが、土の比重を1.7とすると、2,0000円/㎥~3,0000円/㎥というところです。これは異常な高濃度汚染土壌でなく、かつ油やVOCによる複合汚染がない場合です。 処分の際には処分のための分析をしますが、塩分などが含まれていると増額します。 もっとも重要な要素は、10トンダンプトラックなどの大型車両がスムーズに使用できるかということです。2トン車での運搬を余儀なくされたり、通行規制や時間規制で運搬作業時間が制約されると、運搬費が割高になります。 掘削などの土木工事は、深さや近隣の条件で都度見積もりが一般的です。
掘削除去後の埋め戻し費用の相場
地山からの切土で10トンダンプトラックなどの大型車両での搬入が可能であれば、整地工事まで含めて10,000円/トン~15,000円/トンが相場といえます。
土壌汚染の対策工事では埋め戻し土が健全であることを分析して確認する必要があり、一般の土木工事に比べると割高になります。また、この場合も2トン車での運搬を余儀なくされたり、通行規制や時間規制で運搬作業時間が制約されると、運搬費が割高になります。
VOCの現地浄化コスト
現地処理ができるスペースが確保され、少なくとも300㎥以上の汚染土壌を処分するケースであれば、現地浄化がお勧めです。VOCの揮発性を利用して掘削した汚染土壌からVOCを抽出除去する浄化方法を採用した場合、搬出処分の50%程度にまでコスト削減できることもあります。
稼働中の工場で地中から吸引回収したり、微生物分解浄化の場合、汚染濃度や施工面での制約があったり、長期観測などもあり、都度見積もりということになると考えられます。