土壌ガス吸引
地中の空気を真空ポンプやブロワなどの吸引機器で吸引して地中環境を減圧し、トリクロロエチレンや、テトラクロロエチレンなどの第一種特定有害物質を、地中の空気とともに回収する浄化方法が、土壌ガス吸引法です。
汚染の濃度を、短期間で低下することができ、吸引井戸を設置してしまえば、真空ポンプやブロワを運転しておくだけで、土壌中の有害物質を回収できるため、稼働中の事業所では、特に有効な原位置浄化方法です。
急速に低濃度化する一方、一定量の回収が進むと、低濃度の状態が平衡し、浄化期間は長期化することが多く、浄化の進捗とともに、吸引井戸の再設置や、フェントン法などの酸化分解法への移行が必要なこともあります。
浄化の最初の段階は、ホットスポットの汚染物質を、集中して回収します。
クリーニング事業所のドライ機の前や、製造工場の洗浄場所などに吸引井戸を設置します。
塩ビ管をストレーナ加工して、地中の空気(土壌ガス)を吸引します。
吸引井戸の口元は、大気を吸い込まないように、シールします。
ブロワと吸引井戸を配管し、屋外であれば、防水防音のカバーを設置します。
稼働中の塗装工場における土壌ガス吸引
トリクロロエチレンで洗浄した部品を、洗浄エリアから塗装エリアへ移動するため、直線的に汚染していました。
一年後の工場閉鎖に向け、土壌ガス濃度の定期観測と、高濃度井戸の集中した土壌ガス吸引を継続し、浄化が完了しました。
最初に土間をカッタ切断し、配管の溝を作ります
複数の井戸を連結配管し、吸引が集中できるようにバルブ取り付けます
通常業務ができるように縞鋼板でカバーしました
他の原位置浄化法
- 土壌ガス吸引
- フェントン法による化学処理
- 過硫酸法による化学処理