悪臭対策
事業所の跡地などでの土壌汚染対策工事において、埋設廃棄物や廃油に由来する悪臭が発生することがあります。
汚染土壌を油圧ショベルで掘削したときに、地中でガス化していた「悪臭」が大気に放出され、ひとに不快感を生じさせることになるわけですが、「油臭い」といわれるケースがもっとも多いように思います。
一口に「油臭い」といっても、ガソリン臭なのか、交換して廃棄されたエンジンオイル臭なのか、さまざまなのですが、とにかく、記憶にある「油臭い」のどれかに一致すると、「油臭い」に該当します。
なにしろ、目を背けようと、呼吸はしていますので、悪臭を我慢することはできません。
現場で油の種類を特定することもできませんので、とにかく「油臭い」ときは、消臭効果の高い、生分解性の油処理剤を散布して、環境保全に努めます。
何を散布しているかというと、「ACクリーン」という油処理剤です。 メーカのデータによると、3日間で60%が分解され、環境に対し安全であることが特徴です。
谷口商会株式会社 ACクリーン https://www.taniguti.co.jp/products/acclean.htm
ACクリーン
- ACクリーン
- ACクリーンを100倍に希釈して使用します。
- 局部的な油汚染があって、ピンポイントで消臭するときは、散布しながら掘削作業をおこないます。
- 油汚染の現場で、油臭が激しいときは、散布しながら作業するというより、一面に散布してから掘削作業をすることになります。
消石灰(水酸化カルシウム)
地下水面より低い深度での掘削や、水分の多い汚染土壌における悪臭対策には、消石灰(水酸化カルシウムCa(OH)2)を散布します。
消石灰は、古くから利用される土壌改良剤で、アルカリ性であるために、酸性の強い土壌には中和の役割も果たしますし、水分の調整効果も高いため、大雨の後の泥状の汚染土壌を取扱うときにも有効です。
このように、掘削しながら消石灰を散布します。散布の際に発塵しますので、様子をみながら少しずつ散布します。
また、局部的に強い腐敗臭がするような汚染土壌は、周辺環境保全のため、臭気を隔離した囲いの中に汚染土壌を集積し、手作業で消石灰を混練したあと、腐敗臭の収束まで、一定期間養生します。