山留
汚染土壌の掘削除去において、掘削範囲の周辺は「土の壁」です。
このため、山留とか土留と呼ばれる、掘削範囲の周辺土の崩壊防止処置が必要で、掘削除去工事の施工コストを押し上げる要因となります。
単管コンパネ
汚染の深さ1.0mの掘削除去工事では、このようにコンパネを単管パイプで固定する簡易な方法で崩落を防止します。「単管コンパネによる簡易土留」などと呼ばれる工法ですが、この程度の処置であれば、コストの大幅増額にはなりません。
アルミ製軽量矢板
深度2.0mの掘削除去工事でのアルミ製の軽量矢板による山留です。
汚染拡散防止のため、矢板の根入れは最小にしますので、「腹起し」と呼ばれる支持梁によって、反力を取り、崩落を防止します、これもまた、付帯作業としては手間がかさみます。
平面絞込調査の成功により、局部的な深度2.0mの範囲となりました。 周辺の深度1.0mの範囲は、地盤の状況もよく、山留せずに施工できました。
シートパイル
地下水位が浅く、確実な山留が必要なときは、「シートパイル」と呼ばれる鋼製の矢板を使用しますが、シートパイルの設置コストが高額で、施工後の引抜コストもまたしかりです。
シートパイルは、凹凸のある断面形状なので、汚染の範囲の境界がシートパイルの内側に来るように、シートパイルを設置しなければなりません。
敷地境界までの掘削ができるように、コ字断面の山留材を作りました。作業性を重視して、薄肉軽量化したので、簡易な山留に最適です。
クイック土留
敷地境界まで汚染土壌を、深深度まで除去する必要があるときは、「クイック土留」を使って周辺土の崩落を防止します。シートパイルほどには止水性がありませんので、地下水対策の検討が必要です。
株式会社エヌ・エス・ピー
親杭横矢板
H鋼を十分に根入れして、松材などの木矢板をH鋼に挟んで山留します。
止水性はないので、原則的に地下水面より浅い掘削深度に適していますが、地質条件がよければ、深深度にも対応できる汎用性の高い山留工法です。
H鋼は、加振機で縁切りをした後、クレーンで引き抜きます。このため、多くの場合、木矢板は地中に残置されます。
H鋼を引き抜いた後の穴は、健全土で埋め戻します。