シマジン(第三種特定有害物質 農薬等)
シマジンは、スイスの製薬会社・チバガイギー社が開発した除草剤で、日本での農薬登録は1958年で、一年生イネ科雑草および広葉雑草の除去に安定した効果を発揮し、効果を持続します。
シマジンの別名として、2-クロロ-4,6-ビス(エチルアミノ)-1,3,5-トリアジン、CAT、アクアジンなどがあります。
農薬取締法における水質汚濁性農薬に指定されており、シマジンの使用に際しては、都道府県知事の許可が必要となります。
農林水産省のHP
・水質汚濁性農薬(農薬取締法施行令)
・農薬取締法
シマジンの用途(厚生労働省HPより引用)
トリアジン系の除草剤で、水稲畑苗代、ジャガイモ等の栽培初期(播種後、植付後)に、雑草発生を防ぐために散布される他、ゴルフ場の芝生でも使用される。(H4専門委員会報告) 非ホルモン型の除草剤で、茎葉処理ではほとんど効果を示さないが、土壌処理により発生直後の一年生雑草をほとんど殺すことができる。
本剤は根によって吸収され、効果の発現は遅いが、効力持続期間は長く40~50日である。土壌中での移行性は小さく、土壌表面に処理層を形成する。効果は土壌条件、温度条件であまり左右されない。(農薬ハンドブック)
シマジンの毒性など
引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」
(公益財団法人 日本環境協会 平成29年3月発行)
ラットに104週間、シマジンを餌に混ぜて与えた実験では、体重増加の抑制、血液学的変化が認められ、この実験結果から求められる口から取り込んだ場合のNOAEL(無毒性量)は、体重1kg当たり1日0.52mgでした。
わが国では、農薬取締法による登録時の評価で、シマジンのADI(一日許容摂取量)を体重1kg当たり1日0.0013mgと算出しており、これに基づいて水道水質管理目標値や水質環境基準が設定されています。
シマジンの基準値など
シマジン(Simazine) | |
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化学式:C7H12ClN5/モル質量:201.657g/mol/水溶解度:0.15% | |
土壌溶出量基準 (mg/L) | 0.003 |
第二溶出量基準 (mg/L) | 0.03 |
土壌含有量基準 (mg/kg) | 基準値はありません |
地下水基準(mg/L) | 0.003 |
MSDS記載内容より 急性毒性:軽度の皮膚刺激、眼への刺激、生殖能または胎児への悪影響の恐れの疑い 長期暴露:呼吸器の障害、肝臓・神経系・心血管系の障害の恐れ |